「深い学び」

アクティブ・ラーニングという言葉を耳にしたことがあるかと思います。

文部科学省や県教育委員会などでは、これを「主体的・対話的な深い学び」と読んでいます。

では、この「主体的・対話的な深い学び」のねらいは何でしょうか。

それは、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、判断して行動できる力を身に付けることです。

そのために、先生方は皆さんの声を聞き入れながら日々授業改善に努めています。

具体的には、「何を学ぶか」だけでなく「どのようにして学ぶか」も重視しながら、

・一つ一つの知識がつながり「わかった」「面白い」と思える授業に

・周りの人たちと共に考え、学び、新しい発見や豊かな発想が生まれる授業に

・自分の学びを振り返り、次の学びや生活に活かす力を育む授業に

・そして、見通しをもって、粘り強く取り組む力が身に付く授業になるよう、授業改善、授業研究などに先生方は取り組んでおります。

 

こうした学びをより深めるため、「総合的な探究の時間」などで、皆さんは、例えば、キャリア教育を通して、自分自身の生き方や将来の職業の研究について取り組んでいるかと思います。

ここで皆さんに期待することがあります。

それは、深い学びの導入の段階であるならば、与えられた進路的な情報で将来を考えることはよいでしょう。しかし、いつまでも与えられた情報や課題を考えるのでよいのでしょうか。皆さんは、もう分かったかと思います。自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、その上で自分の将来について研究することです。

つまり、皆さんの将来についての答えは、先生方が教えてくれるのではなく、自分自身で答えを導いていくものです。だから答えはないのです。

 

あるいは、「総合的な探究の時間」において、次のような取組や考え方もあります。

 

歴史の授業で「日光街道」の調べ学習に取り組んでいたとします。

最初は、歴史的な背景を調べていたが、道の構造について課題を感じ始めた。

江戸時代の道、明治時代の道、大正時代の道、昭和・平成・令和の時代の道は構造上どうなっているのだろうかと研究をはじめたら、数学や物理などの知識が必要となった。結果的に、道についての研究が歴史や数学、物理の分野まで学習することになった。これが、教科横断的な取組です。

 

話しは、本校でのキャリア教育に戻りますが、自分の将来の職業について考えるとき、夢なのか現実なのかも研究していくことが求められるでしょう。心と頭の中で、夢なのか現実なのかを受け入れるときがきた時、夢を追い求めつつ現実を受け止め、その中で思い描く幸せを実現していくことも、とても大切なことです。

 

最後になりますが、深い学びによる探究活動は、皆さん一人一人の主体的な判断のもとに行動し、自立した人間として、他者と共によりよく生きていくための一つの取組、活動です。このことを理解し、今後も先生方を信じ、しっかりと勉強やスポーツ、文化活動などに取り組んでください。

 

これまでのものと、一部重複した内容の掲載があります。

 

令和5年8月8日(火)校長 堤祐二

 

 写真は本校で行っているサマースクール(外国人生徒等向け日本語指導)の様子です。